2020年7月16日(木)ー8月20日(木)第2・第4木曜日・金曜日・土曜日 10:30〜19:30(※木曜日のみ17:30まで)

コロナウィルス感染防止のために予定しておりましたアーティストグループ・SUGOROKUによる「オープンしたけど誰も入れない」展を延期したため、本展は再調整期間として「展覧会開催への公開制作」を開催します。公開制作を経て「オープンしたけど誰も入れない」展を2020年8月20日(木)より開催予定です。

アーティストグループ・SUGOROKUは関西在住の芸術家を中心に集まった正体不明のアーティスト集団です。公開制作ならびに「オープンしたけど誰も入れない」展では本センターが横須賀という街に、横須賀市民の皆様にどのように位置付けて欲しいかをアーティストグループ・SUGOROKUが入念にヒヤリング・リサーチして制作された作品で構成されています。

公開制作展のみ、越中正人が2017年に発表した作品「checking “checking answers”」が展示されます。2枚組の写真作品となり、一方にスマホ等からカメラで写すと、画像が表示されるAR(拡張現実=Augmented Reality)が仕組まれた写真作品です。

横須賀市に住み始めた際に、まずインターネットで観光情報を検索して評判や意見を参考にして、すぐ近くにあるにも関わらず、行くか行かないかを悩んだ体験が制作のきっかけになっています。

本作の2枚組の一方の写真は横須賀市にある観光スポットのパンフレットや絵葉書を撮影した写真で構成されており、それぞれにスマホ等をかざすとAR画像が表示されます。

表示されたAR画像はいわば実際には存在しない画像(イメージ)です。しかし、このAR画像をデータとして抽出しプリントアウトして実体化しました。2枚組の左側の写真はすべてAR画像をプリントアウトしたものです。

この作品では、同じ画像(イメージ)ではあるにも関わらず、一方は目には見えるが実際に存在しない状態と、もう一方は実物として紙にプリントアウトした状態との対比を発生させています。対比によって本当に見ている、見えている、見たいものなど、見ることを再定義する必要性があることを表した作品です。
見ていなくても見た気でいることや、実はただ自分にとって都合の良い情報だけを選んでいる実態など、再度知覚することで自身の見識の源を探りたい。