2023年11月9日(木)〜12月23日(土)10:30〜18:30木曜・金曜・土曜日のみ開館
喜田早菜江(キュレーター)
アーティストの作品制作は、孤高の営みとして神聖化されがちです。けれども、アーティストも生活をする者であり、子育てをしながら、工夫の末に時間を捻出して制作を続けている人も少なくありません。本展では、0歳から 小学6年生 までの子をもつアーティスト4名が、親子で横須賀を訪れた体験をもとに制作した作品を紹介します。子どもとともに過ごした時間をあえて制作の起点に据えることで、子育てと制作の在り方について改めて考える契機にしたいと思います。(写真:長谷川冬香と家族と茂木敏宏とその家族によるアーティスト・イン・レジテンスの様子)
アーティスト城田圭介 Keisuke Shirota

1975年神奈川県生まれ。2001年東京藝術大学美術学部デザイン科卒業、2003年東京藝術大学大学院美術研究科デザイン専攻修了。写真と絵画を主たる制作手段としている。凡庸なストリートスナップや観光写真、アルバム写真などを基点にフレーミングからこぼれ落ちたもの、あるいは写真の前景と背景、主題と非主題などに着目し、絵画と組み合わせた作品を制作している。作品集『KEISUKE SHIROTA / WORKS 2003-2009』(グラムブックス)
個展
2022年「Outoftheframe」マキファインアーツ(東京)
2021年「Over」マキファインアーツ(東京)
2019年「写真はもとよりPAINT,SEEINGPHOTOS」茅ヶ崎市美術館(神奈川)
2013年「Tracing/Background」ベイスギャラリー(東京)
2010年ギャラリー・ステファン・ルプケ(ケルン)
2009年ベイスギャラリー(東京)
2008年ギャラリー・ステファン・ルプケ(ケルン)
2008年ギャラリー・アーネス+ルプケ(マドリード)
2006年「オーバーラップ」ギャラリー・サン・コンテンポラリー(ソウル)
2006年ベイスギャラリー(東京)
2004年「ASENSEOFDISTANCE」ベイスギャラリー(東京)
二人展
2023年「BeyondtheFrame」城田圭介×那須佐和子 haco-artbrewinggallery-(東京)「うららか絵画祭」にて
主なグループ展
2023年「GroupShow-グレン・ボールドリッチ|ホーリー・クーリス|アレックス・ダッジ|城田圭介」マキファインアーツ(東京)
2022年「かくれんぼ–さがして。そして、」茅ヶ崎市美術館(神奈川)
2022年「GroupShow-白川昌生|末永史尚|城田圭介|加納俊輔|ショーン・ミクカ」マキファインアーツ(東京)
2013年「シェル美術賞展 アーティストセレクション」国立新美術館(東京)
2012年「フォトリファレンス・写真と日本現代美術」ベオグラード文化センター(ベオグラード)
2008年「現代写真の母系2008写真ゲーム」川崎市市民ミュージアム(神奈川)
2007年「YoungJapaneseLandscape」ヤングアートミュージアム(ウィーン)
2005年「VOCA2005現代美術の展望—新しい平面の作家たち」上野の森美術館(東京)
2004年「シェル美術賞展」代官山ヒルサイドテラス(東京)
長谷川冬香 Huyuka Hasegawa

1981年神奈川県生まれ。2004年武蔵野美術大学造形学部油絵学科卒業。2006年同大学大学院造形研究科美術専攻油絵コース修了。キャンバスに油彩で寝具やカーテンなどの布や室内空間を描いた絵画作品を制作。2021年より、水彩絵具で身近な植物やお菓子の箱、石などを描く。
主な個展
2023年「色をひろう」(secondd2./東京)
2022年「植物採集」(altoyo/横浜)
2010年「roomintheroom」(YOKOIFINEART/東京)
2009年「殻」(YOKOIFINEART/東京)
2008年「キラり」(YOKOIFINEART/東京)
2007年「tuckup…tuckinto…」(YOKOIFINEART/東京)
2006年「エスカルゴ」(人形町vision’s/東京)
2005年「寝床の景色 浮かぶ雲」(清須市はるひ美術館/愛知)
2004年「長谷川冬香展」(galleryJ2/東京)
主なグループ展
2021年「loopbeyondArt 広がる、人と命の輪」(工房親/東京)
2011年「第47回神奈川県美術展(神奈川県民ホール/神奈川)
2010年「アイチ・ジーン」(愛知県立芸術大学芸術資料館、豊田市美術館/愛知)
2010年「武蔵野美術大学助手研究発表「RA10」展(武蔵野美術大学/東京)
2010年「2-305!!ムサビ助手展(武蔵野美術大学/東京)
2009年「武蔵野美術大学助手企画リニューアル」展(武蔵野美術大学/東京)
2008年「武蔵野美術大学助手研究発表会「RA08’」/武蔵野美術大学美術資料図書館/東京)
2006年「VOCA2006(上野の森美術館/東京)
2005年「群馬青年ビエンナーレ’05(群馬県立近代美術館/群馬)
2005年「第4回夢広場はるひ絵画ビエンナーレ(清須市はるひ美術館/愛知)
2004年「谷中日和(galleryJ2/東京)
2003年「アザーセンシビリティー展「安楽椅子と雲とを・・・」(文房堂ギャラリー/東京)
受賞
2011年第47回神奈川県美術展 入賞
2006年武蔵野美術大学修了制作 優秀賞
2005年第4回夢広場はるひ絵画ビエンナーレ 優秀賞、 群馬青年ビエンナーレ’05奨励賞
2004年武蔵野美術大学卒業制作 優秀賞
2003年第18回ホルベインスカラシップ奨学者
茂木敏宏 Toshihiro Moteki
Toshihiro Moteki

1983年神奈川県生まれ。名古屋芸術大学美術文化学科卒業。紙とペンを用いて「見えるものを描く」を主軸として制作。紙の作品を主に制作する過程で、映像や音楽、写真の作品も制作している。3年前に初期の緑内障である事が判明し「見えるもの」とは「そもそも視覚とは?」と考えながら日々制作、 また日々子育てを行う中で母性や身体についても制作テーマとして取り組んでいる。
主な展覧会
2013年「floating images」(ギャラリーヤマキファインアート/兵庫)
2015年「HIDDEN」(ギャラリーヤマキファインアート/兵庫)
2022年「BankART AIR 2022 SPRING」(BankART Station/神奈川)
コミッションワーク
2022年: Cocco CDアルバム「プロム」ブックレットへ作品提供
冨山真美 Mami Tomiyama
Mami Tomiyama

1992年東京生まれ。2015年武蔵野美術大学造形学部映像学科卒業。卒業後地図調製会社を経て現在に至る。東京都在住。人々の生活、営みを感じられる風景が好きです。その場所がその場所であるに至ったことへの敬意と、私がそこに持った愛着を画にする方法を模索しています。
主な展覧会
2021 年「広島遠いなあ、鶴見町どこ」(タメンタイギャラリー/広島)
2015 年「町を見る」(JINEN GALLERY/東京)
展覧会について 越中正人
4名のアーティストは横須賀市内での滞在制作から横須賀市の文化・風土・景色などの特徴を調べ、それらを活かした作品を発表します。ただし、本展覧会では横須賀市での滞在はアーティストだけでなく、親子で滞在していただきました。
アーティストも作品制作と共に子育ての毎日を送っています。子育てにより、これまでの制作方法や考え方の変更を余儀なくされるなど、子育て以前と以後でのアーティストのあり方について悩むアーティストが多くいます。
本展覧会ではそんな子育て中のアーティストに子育て中であることによる不自由さを盛り込んでも構わないものとして、作品を制作し発表していただきました。作品は子どもとの共作でも構わないし、もしかしたら作品制作が途中であっても構わないものとしています。
本展覧会は子育てのステージが異なるアーティストが集まることでの情報交換や子育て中であっても前向きな制作と発表へのきっかけづくりになることを目標に取り組んだ展覧会です。

左から城田圭介氏、長谷川冬香氏、冨山真美氏、茂木敏宏氏